第5章簡単製本術【ワードDTP】

裏面も同じように作業します。背表紙側に上からノリを塗ります。 自分で本を出版する・ワードDTP編・DIY産直出版のススメ

『自分で本を出版する・ワードDTP編・DIY産直出版のススメ』『自分で本を出版する・製本術編』の無料公開につて

2001年から紙の本で出版されていた本です。著作権は、「あくり出版」が持っています。ちょっと変わった非常識出版を実践していた「あくり出版」です。

現在は販売しておりません。内容が古くなったのでここで無料公開いたします。何かのお役に立てれば幸いです。

※ご紹介している「あくり出版」の書籍や製本キットなどについては、現在販売はしておりません。

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第5章・簡単製本術

プリンターで印刷した一冊分の用紙を、今度は製本します。製本・装丁の世界もかなり奥の深い分野です。ここで目指しているものは、製作者であり消費者であるわれわれが納得のいくオンデマンド出版です。今の出版界は、大量生産・大量流通、読者不在の傾向があります。出版の危機も議論されています。そんな、システムをあざ笑うように私たちは、気軽にオンデマンドDIY産直出版を楽しみます。

ですから、製本は、第一段階で挫折しないように簡単製本でいきます。ここでは、並製本に似せた、手作り工程を紹介します。上製本も少し努力すれば、製本できます。上製本については、別の機会にご紹介したいと思います。

製本の基礎は、ばらばらの印刷された用紙をひとつの束にまとめ上げる作業です。その次に、表紙の装丁作業に入ります。

簡単製本

紙の束をそろえます

まず製本する用紙を正しい順番に並んでいるかを確認します。確認が済んだら本になる外側の3辺をそろえます。

  次に、そろえたものを崩さないようにクリップなどで固定します。

そろえたものを崩さないようにクリップなどで固定します。

背表紙にあたるところを上にして固定します。上の写真のように板ではさむと後の作業が扱いやすくなります。板ごとひもで縛り付けても構いません。写真のように大工用の大きなクリップもホームセンターなどで販売されています。写真のものは100円ショップで購入したものです。身近にある道具で工夫してください。

固定された状態で、ノコギリやカッターで、5~6箇所の切れ目を等間隔で入れます。2~3ミリの深さで削り取ります。下の部分には、ページめくりのときに取れ易いので一本余分に切れ目を入れておきます。

固定された状態で、ノコギリやカッターで、5~6箇所の切れ目を等間隔で入れます

次に、接着の材料を用意します。接着剤にするものは紙を接合するものであれば何でも構いません。

でんぷんノリと木工用ボンドを使います。この二つを半々ぐらいで混ぜ合わせたものを用意します

比較的安く身近にあるものとして、昔ながらのでんぷんノリと木工用ボンドを使います。この二つを半々ぐらいで混ぜ合わせたものを用意します。こうすることによって乾いたときに多少の弾力がのこりページめくりが容易になります。

 切れ目に沿って接着の補強に使う糸を用意します。これも用意した接着剤によって、紙に接着できるものなら何でも構いません。ここでは、どこの家庭にもある裁縫用の木綿糸を使いました。

切れ目に沿って接着の補強に使う糸を用意します

本の厚みに合わせて、5~6センチぐらいにきります。これを本の切れ目に一箇所に3本ほど接着しますのでその数だけ用意します。

補強の布は、ガーゼ様のものが接着によろしいかと思います。ここでは、安く手に入る台所用のキッチン布巾を活用しています。これを5×19センチに切っておきます。更にその上から補強するための紙を用意します。これも丈夫で接着できてあまり厚くないものであればなんでも構いません。写真のものは障子紙です。これを6×20センチに切ります。

?「本の構成・各部の名称」の項で説明しました「見返し」の用紙を用意します。

 「本の構成・各部の名称」の項で説明しました「見返し」の用紙を用意します。本のデザインの一部と考えて色や材質を考えて気に入ったものを用意してください。少し厚めの用紙が強度をつけるのによろしいかと思います。大きさはA4判の大きさです。それを正確に二つ折りにしてください。表側と裏側の2枚用意します。本体の最後に表紙、背表紙、裏表紙をつなげて貼り付ける仕上げ用紙を準備しておきます。大きさは、A4判に加えて本の厚み分です。B4版の用紙をカットして作成してください。少し長さが足りませんがA4判でも構いません。これらを使って、先ほど固定しておいた印刷用紙を接着します。

混合のりを切れ目にすり込むように全体に塗ります

まず、混合のりを切れ目にすり込むように全体に塗ります。背表紙の面だけに塗ってください。側面には塗りません。

切れ目に糸を3本づつ入れ込みます。

次に、切れ目に糸を3本づつ入れ込みます。その上からもう一度ノリを塗っておきます。その上に、補強の布を貼り付けます。

その上からもう一度ノリを塗っておきます。その上に、補強の布を貼り付けます

次に、固定していたものを外し、糸と補強布を外側に折ります。

次に、固定していたものを外し、糸と補強布を外側に折ります。

糸が外れないように気を付けてください。見返し用紙を1センチ幅ほどの糊付けで本体に貼り付けます。

見返し用紙を1センチ幅ほどの糊付けで本体に貼り付けます

裏面も同じように作業します。背表紙側に上からノリを塗ります。

裏面も同じように作業します。背表紙側に上からノリを塗ります。

背表紙にノリを塗った上から補強紙を貼ります。

背表紙にノリを塗った上から補強紙を貼ります。

補強布より一回り大きい面積で貼り付けます。側面も薄くノリを塗って補強布と補強紙を貼り付けます。

側面も薄くノリを塗って補強布と補強紙を貼り付けます。

これで一応、冊子状になります。この上から見返し用紙と同じような材質の紙を全体に張ります。

これで一応、冊子状になります。この上から見返し用紙と同じような材質の紙を全体に張ります。

表紙、裏表紙と薄めにノリを塗ってその上に準備しておいた本体の仕上げ用紙で一冊の本状に貼り付けます。背表紙には、ノリを塗らないようにしてください。その方が乾いた後のページめくりがやり良くなります。

表紙、裏表紙と薄めにノリを塗ってその上に準備しておいた本体の仕上げ用紙で一冊の本状に貼り付けます。

乾かないうちにしっかりと抑えてノリ付けに入り込んでしまった空気を抜いておきましょう。

これで、本体が完成いたしました。カバーのかかっていない出来たてほやほやの本です。次は、この本のカバーを作成いたします。市販本に負けない、きれいなカバーを作りましょう。

 製本方法については、いろいろな方法があります。基本は同じですが、本書の姉妹編『自分で本を出版する・かんたん製本術編』には、製本方法のみを独立させて新たに開発した「クルミ製本角布固め法」と製本キットの解説をしています。

 材料や製本方法をより簡素化して、しかも接着強度も増した方法です。小規模出版には、強力な武器になります。あわせて御覧下さい。

『自分で本を出版する・ワードDTP編・DIY産直出版のススメ』『自分で本を出版する・製本術編』とは

2001年から紙の本で出版されていた本です。著作権は、「あくり出版」が持っています。ちょっと変わった非常識出版を実践していた「あくり出版」です。

ワードを使った書籍用のDTPの操作を解説した本です。古いワードのテクニカル本です。

『自分で本を出版する・製本術編』はワードDTPで作成し、インクジェットプリンターで印刷したものをビジネス書っぽく製本する方法を解説したものです。

当時4000円くらいで販売していたものです。3000冊ほど売れたと思います。ISBNもあり、国立国会図書館にも入っています。今は、販売していません。もしかして、古本でどなたかが販売しているかもしれません。

内容的に今では、使われていないワードのバージョンですので、ここで無料公開します。縦書き書籍用のデータをそのまま掲載しますので、改行も少なく、ネットでは読みにくいかもしれませんが、書籍の雰囲気をそのままということで、ご勘弁をお願い致します。

懐かしいワードの使い方をご覧ください。

新しいワードのバージョンで、ご参考になれば幸いです。

『自分で本を出版する・製本術編』についても、製本術自体は、古くなっても色あせることはありませんが、現在のネットワーク時代に紙の本というよりも、電子書籍やWEBにSNSですから、古い情報です。こちらも無料公開いたします。

なにかのお役に立てれば幸いです。

※ご紹介している「あくり出版」の書籍や製本キットなどについては、現在販売はしておりません。

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