第8章インターネットで自分の本屋をもとう・おわりに

第8章インターネットで自分の本屋をもとう 自分で本を出版する・ワードDTP編・DIY産直出版のススメ

『自分で本を出版する・ワードDTP編・DIY産直出版のススメ』『自分で本を出版する・製本術編』の無料公開につて

2001年から紙の本で出版されていた本です。著作権は、「あくり出版」が持っています。ちょっと変わった非常識出版を実践していた「あくり出版」です。

現在は販売しておりません。内容が古くなったのでここで無料公開いたします。何かのお役に立てれば幸いです。

※ご紹介している「あくり出版」の書籍や製本キットなどについては、現在販売はしておりません。

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第8章・インターネットで自分の本屋をもとう

自分の本が完成したところで、今度はそれを人に読んでもらうようにします。自費出版などでは、知り合いに配るのが一般的です。ここでは、そんなことにとどまるのではなく、インターネット上に自分の本屋をもってしまいます。売れるかどうかはあなたの腕次第ですが、社会に情報発信してはじめてDIY出版です。

インターネット上にホームページをもち、自作の物を販売普及する本屋にするのです。それでは、自分のインターネット本屋をもつ方法について考えてみます。

ホームページを作成する方法は、多くの入門書がありますのでそちらでお願いいたします。ホームページ作成ソフトも数種類販売されています。私の場合は、コンピュータにおまけでついてきたソフトを、もったいないので使っています。あくり出版の前身「七つ屋」はそれで作りました。ワードを使いこなすことができれば、ホームページ作成ソフトも十分使えると思います。

ホームページの内容は、本の紹介、販売する場合の料金決済方法、連絡先などです。料金決済の簡単な方法は、郵便局の利用が一番かと思います。大手のインターネット通販では、クレジットカードやコンビニ決済など便利なものがあります。しかし、販売する側としての個人は受け入れられる余地がないようです。個人レベルでは、一番簡単で安くできる料金決済方法は、やはり郵便局の利用です。

郵便局で「一般振替口座」というものを開設すると、そこに安い料金で送金できるようになっています。詳しい内容は、郵便貯金のホームページか郵便局でお調べください。

 ホームページが出来上がれば、それをサーバーに送ります。ホームページは、特別なサーバーを確保する必要はありません。個人での出版業務ですから、プロバイダーのおまけのホームページ・スペースで十分です。参考までに、私が最初に開いたインターネット本屋を紹介します。前頁の写真です。ここを通して全国の多くの方とお知り合いになりました。いくつかの本や雑誌にも紹介して頂きました。今は、あくり出版として発展しています。

ホームページの本屋が完成したあとは、宣伝あるのみです。ホームページを作っただけで本が売れるとはほとんど期待できません。検索エンジンに登録するのが一般的ですが、それでも、ホームページを見にきてくれる人はまれです。やはり、自分の人脈をいかして口コミで宣伝していくことが確実です。そして、気に入って本をほしいという方が現れたら製本して販売します。完全なるオンデマンドDIY出版です。

このシステムが完成すれば、次の創作に取り掛かりましょう。ご自分の著作が一冊二冊と増えていくたびに、人生の面白みが増加します。自分のホームページをもって創作した本を販売し、社会とつながっていきます。本のデータは、自分のコンピュータに保存してあるはずです。いつでも取り出して、製本できる状態にしておくだけでいいのです。

質の高いものを創作して、宣伝すれば必ず読者は現れてくれます。そして、新たな人のつながりができれば幸せなことです。本書の提案しているような方法でDIY出版を実行する方がふえて、DIY出版のネットワークができれば、既存の出版文化の仲間入りができるのではないかと淡い期待をもっています。個人の能力が最大限に発揮されて、社会が文化的に高まっていくことを願っています。

おわりに

この本をお読みになって持たれた感想の中に、「なんだ、出版と言うけれど私家版じゃないか」とおっしゃる方がいることでしょう。そうです、私家版です。私家版で大いに結構です。どういう呼び名であろうと中心は自己の情報発信です。その方法を様々な形で発展させたいのです。

これからの日本人に必要な生き方は、自己を確立して生きることです。終身雇用・年功序列社会は崩壊寸前です。いつまでも組織や肩書きにしがみついて生きる方法はうまくいきません。自己の内面を充実させて、様々な好奇心を眠らせないような生き方を見つけませんか。情報をまとめあげる過程や創作過程で自己の内面は確実に充実するはずです。好きなことに挑戦しましょう。まわりの人が何を言っても構いません。何かを言ってくる人があなたの面倒をみてくれるわけではありません。好きなことを実行した者の勝ちです。

最近、出版界では、出版不況や本離れということがよく言われます。編集者の方々は出版文化を守ろうと必死です。既存の出版メディアだけでなく、インターネットを活用した電子出版も徐々に発展しています。ますます本が売れなくなるような情勢です。私は、出版文化を発展させたいと願っている者のひとりです。本が売れないということには様々な要因があると思います。流通の問題、再販制、委託返品制など出版業界側の問題が議論されています。オンライン書店や新古書店も新しい流通の方法を提起しています。今後も様々な動きがあることでしょう。しかし、これらの議論は、出版業界の話であって、読者の欲望を満たすに至っていないような気がします。読みたいときに読みたい本が手に入らないということが、読者にとって解決したい事柄なのです。大都市には大型書店が開店ラッシュです。一方で近所の本屋さんが姿を消しています。最新の大型書店に気軽に立ち寄れる人は結構ですが、そうでない人にとっては、困ったことです。本が売れない。それは、限られた読者を奪い合っているから駄目なのではないでしょうか。読者人口を増やす努力をしないと活字出版文化は衰退してしまうと思います。

本を読む人、大量に本を読む人とは、情報を蓄積してそれを吟味し、再構築して新しい形で情報発信する人です。そういった人が社会の大半を占めれば出版不況などありえません。大衆的に創作意欲に満ちた社会を構築すればいいのです。世の中の多くの人が創作意欲を持って生活するということは、情報収集も旺盛に行うということです。つまり本をたくさん読むということです。

出版文化の裾野を広げる努力を出版業界自身が実行するべきです。もっと旺盛に個人レベルに迫るような出版システムができればよいと考えます。そんな展望を持って本書は、出来上がりました。入門的な内容になっています。

活字出版文化のひとつに企画段階からの完全手作り本が加わり、本書がそのきっかけになればこのうえない幸せです。

二〇〇一年四月  七 五郎

『自分で本を出版する・ワードDTP編・DIY産直出版のススメ』『自分で本を出版する・製本術編』とは

2001年から紙の本で出版されていた本です。著作権は、「あくり出版」が持っています。ちょっと変わった非常識出版を実践していた「あくり出版」です。

ワードを使った書籍用のDTPの操作を解説した本です。古いワードのテクニカル本です。

『自分で本を出版する・製本術編』はワードDTPで作成し、インクジェットプリンターで印刷したものをビジネス書っぽく製本する方法を解説したものです。

当時4000円くらいで販売していたものです。3000冊ほど売れたと思います。ISBNもあり、国立国会図書館にも入っています。今は、販売していません。もしかして、古本でどなたかが販売しているかもしれません。

内容的に今では、使われていないワードのバージョンですので、ここで無料公開します。縦書き書籍用のデータをそのまま掲載しますので、改行も少なく、ネットでは読みにくいかもしれませんが、書籍の雰囲気をそのままということで、ご勘弁をお願い致します。

懐かしいワードの使い方をご覧ください。

新しいワードのバージョンで、ご参考になれば幸いです。

『自分で本を出版する・製本術編』についても、製本術自体は、古くなっても色あせることはありませんが、現在のネットワーク時代に紙の本というよりも、電子書籍やWEBにSNSですから、古い情報です。こちらも無料公開いたします。

なにかのお役に立てれば幸いです。

※ご紹介している「あくり出版」の書籍や製本キットなどについては、現在販売はしておりません。

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