第1章・自分で本を作ってみよう・DIY出版の提唱【ワードDTP】

第1章・自分で本を作ってみよう・DIY出版の提唱 自分で本を出版する・ワードDTP編・DIY産直出版のススメ

『自分で本を出版する・ワードDTP編・DIY産直出版のススメ』『自分で本を出版する・製本術編』の無料公開につて

2001年から紙の本で出版されていた本です。著作権は、「あくり出版」が持っています。ちょっと変わった非常識出版を実践していた「あくり出版」です。

現在は販売しておりません。内容が古くなったのでここで無料公開いたします。何かのお役に立てれば幸いです。

※ご紹介している「あくり出版」の書籍や製本キットなどについては、現在販売はしておりません。

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第1章・自分で本を作ってみよう・DIY出版の提唱

本を出版する。そんな大それたことをーと。あなたのそばで誰かが言いそうな言葉です。しかし、本を出版するということは、そんなに大それたことではありません。ベストセラー作家になることは難しいが、出版することは簡単なことです。

一般的な出版社では、商業出版や自費出版を扱っています。商業出版というのは、出版社の費用と会社の販売ルートで本を販売することです。一方、自費出版は著者が自分の費用で出版社に製作をしてもらうことです。最近では、共同出版なる方式が考案されて、著者と出版社がいくらかの資金を共同で負担し製作販売をするというものがあります。これらは、いずれにしても手間と費用がかかり過ぎます。

ここで提案したい出版とは、出版社が従来やっていたようなことを、個人で全てやってしまおうという大胆な提案です。このネットワーク社会、通信手段が革命的に発達をとげている現代において自分の問題意識をまとめ上げて発表する方法はいくらでもあります。ホームページを個人で持っている方もたくさんみえます。メールマガジンで情報発信もできます。携帯電話も音声以外にメール、インターネットの情報受発信の道具になりました。

しかし、ここで取り上げたいのは、ホームページやメールマガジンでの情報発信とは違います。それらも含めた、電子出版。そして、今までの紙媒体での本造りも捨てていない出版形態を提案いたします。

それは、どういうことかと申しますと。今後、人類の文化遺産がデジタル的に蓄積していくと電子出版が発展していくでしょう。しかし、いまだ人類の文化遺産はほとんどが紙媒体の蔵書の形態で保存されています。それらは、中身の情報のみならず、機能的、感覚的に本としての扱いやすさ、美的要素の優位性があります。

人が研究生活をするとき、何かの本にあたります。本の形態での読書は、人にとって心地よいものです。現代人にとっては捨てがたい行為です。未来の人々はどういう読書形態が心地よいと感じるかはわかりませんが、今の私たちにとっては、読書とくれば本を小脇に抱えて書斎や図書館で静かに思索にふけることが心地よいのです。

こういう読書形態は捨てたくない。しかし、今のテクノロジーも駆使して情報収集にあたりたい。いろいろ選択していいのです。良い時代に生まれたものです。

ここで言う出版の形態は、基本が電子的な出版です。それに付随して、今までの伝統もしっかり融合して紙媒体の本に仕立てます。

ウエブ上に蓄積された情報を人間がアクセスして五感に取り入れる方法は、主にコンピュータにつながるディスプレイです。また、最近ではPDAや携帯電話でも読書の行為ができます。そして、デジタル情報の最終端末としてあげたいものが、プリンターです。このプリンターも最近では、低価格、高機能になりました。写真もきれいに印刷してくれます。これを大いに活用するのです。電子出版の読書端末として、デスクトップのディスプレイ、PDA、携帯電話、そしてプリンター。

ここから、もう一歩進めて紙媒体での読書を今までの心地よさを失わないために、もうひとひねりです。プリンターで出力したものを、美しい本に製本装丁するのです。立派な本としてあなたの蔵書に加えるのです。それを知人にあげてもいいのです。自分で販売してもいいのです。出版社に見本として売り込んでも、勿論結構です。

Do it yourself.

つまりDIY出版です。データはどこかのコンピュータに蓄積して必要なときに取り出し、必要な形態で読書する。そのひとつにプリンターで印刷した本を加えるのです。それに書き手が直接販売までやってしまう意味も加えて「産地直送出版」。両方あわせて『DIY産直出版』とこのシステムを呼んでいます。究極のオンデマンド出版です。

個人の蔵書に加えるのであれば、気に入ったホームページやメールマガジンの内容をテキストで取り込み、自分で編集しなおし製本してしまうのです。また、自分の創作したものを製本して発表してもいいのです。何十万、何百万円もかけて自費出版する余裕のない方は、これにかぎります。作品をインターネットなどで発表して、ほしい人が現れたら印刷して製本すればいいのです。誰でもできる究極のオンデマンド出版です。

家庭用のプリンターで印刷したものとあなどるなかれ、本書にそって本作りをマスターすれば必ずや期待以上のオリジナル書籍が手に入ります。物作りのお好きな方は必見です。

本書での本作りは、個人でできること、低予算でできることを基本方針にしています。ですから材料の入手は、近所の文房具店、ホームセンターあるいは、最近はやっている百円ショップなどで十分入手可能なものばかりを紹介しています。

そして、データの加工、書籍のDTPソフトもコンピュータとセット販売されていることの多いマイクロソフトのワードを使用しています。プリンターもA4用紙までの印刷機能しかないものにこだわって工夫しています。

DIY出版を実現するには、これらの道具と材料を入手することと、多少のコンピュータの知識が必要です。そこさえクリヤーすれば簡単なことです。あとは創作活動の能力を高めるのみです。

個人が開化する時代の幕開け・21世紀の生き方

20世紀はどんな時代だったのか。最近よく耳にする言葉です。戦争の時代を過ぎ、高度経済成長が終わり、バブルが終わり、低成長の時代となって久しい。学歴社会、終身雇用といわれた社会の仕組みも変わりつつあります。リストラ、高失業率、フリーターの増大。21世紀幕開けの日本は、どこに向かって進んでいるのか、はっきりと言い切ることのできる人は少ないでしょう。

戦後の日本を作ってきた今の大人たちを、あざ笑うかのようにえたいのしれない若者たちが町をたむろしています。わらっているそのものたちも、どこに向かって社会を動かしていいのかわからないのです。社会を動かしている自覚すらありません。歴史は、そうやっていつも動いています。今も昔も同じように動いています。

しかし、時代ごとの特徴があります。戦後の日本が、突き進んできた道、いや、明治維新から突き進んできた道。経済発展、富の蓄積循環。人々の生活は、たしかに百年前より豊かになりました。すばらしい進歩をとげています。食うことで困る人の数は、圧倒的に減りました。貧乏をしても餓死することはほとんどありません。そんな現代、日本の進む道がなぜ見えないのでしょう。見えないわけでもないが、明治維新や高度経済成長のような、社会的に共通性のある認識というものがない。IT革命と政府は言うが、どこに日本国民をひっぱって行こうとするのか、いまひとつわかりづらい。

食うことに困らなくなった人類の出現。(それも世界的にみれば先進国の水準に過ぎませんが)これが人類史上最高の到達点。これからの人類史はどうなるのでしょう。食うために人類の歴史が繰り広げられてきて、満たされた。満たされたことと、満たそうと努力してきた本能的社会秩序が混ざり合って矛盾を起こし、今、様々な社会問題を起こしています。

人間が全人格的に発達して社会的人間として成長する方法が見失われているのではないでしょうか。というより、新しい時代にその方法を模索している。そんな時代状況ではないでしょうか。

とすれば、21世紀は、どうあるべきか。人間が人間としてより人間的に生きていける社会をつくらなければいけない。個人が人間として尊重され、個性的に生きる。充実感と達成感を日々味わいながら生きる。主観的な言葉だけでそうなるのではなく、社会全体がそんな雰囲気を持った状況になる。経済的にはシンプルに、人間の内面はゴージャスに。そんな時代が、21世紀ではないかと考えています。

全人格的に人間性を成長させ、社会的人間として生きていきたいと考えます。それは、社会に対していつも能動的に臨み主体的に生きることです。そういった生き方はいろいろあります。その方法論のひとつに、自分の著書を作り上げていく過程を考えてみたいのです。

高度な文化は、個人が尊重されてこそ本物、個人で出版の時代

20世紀は、マスメディアが発達しました。その中で、一部の能力的に恵まれた人々や条件のそろった人々が大いにメディアに登場しています。それは、20世紀の文化形成に大きく影響しました。21世紀は、一部の有名人より有能な個人が乱立して社会全体が文化的に高まる社会がやってくると思います。

音楽、美術、スポーツ、武道。いろいろ文化的な分野はたくさんあります。活字出版文化もそのひとつです。それぞれの分野にマスコミには登場しないけれども、身近に深い造詣に満ちた人々が少なからずいます。そういった人々が十分に社会貢献できるようなシステムを作りたいのです。重厚壮大な文化遺産も社会的に大切なものです。

しかし、それらの多くは、時の権力者の力を誇示するため造られたものがほとんどです。

そういったもの以上に、これからの文化は個人の能力が最大限に発揮され、社会全体が文化の香りでプンプンしている。そんな世の中が実現できれば言うこと無しです。

21世紀は、個人の能力が最大限に開化する時代です。人間が全人格的に発達して社会的人間として成長する。これが、すすむべき道です。活字出版文化では、一人の大作家よりもたくさんの有能な書き手が求められている。ネットワークの時代、すばらしい時代に生を受けたものです。個人で出版。そんなシステムを提案できないものか。ネットワーク時代の出版方法を考えます。

コンピュータ・ネットワークの可能性

IT革命という言葉を毎日耳にします。政府は、高速インターネットで国民をつなぎ情報交換を革命的に発展させようとしています。大いに結構なことです。しかし、また国民不在の大型公共投資路線の政治が見えます。インフラだ、光ファイバー網だ、だから借金してもインフラ整備の公共投資が必要だ。国民を借金の泥沼に追い込もうとしているような気がしてしまいます。真に国民のためになるIT革命を追求したいものです。

それは、ネットワークシステムを個人の能力を発揮できる場として活用することだと思います。個人でホームページを持ったり、メールマガジンを発行したりと活躍の場は、発展しています。本書では、それらのシステムと融合し、紙の本を個人の力で出版してしまおうというものです。コンピュータのネットワークがそれを可能にしてくれました。本当にいい時代です。大いに活用していきましょう。

人生にとってのマイ・ブック・研究的生活は人生の充実度を高める

一人の著名な大作家より、たくさんの有能な書き手が21世紀を切り開くということは、私の考えている近未来像です。

人の脳細胞は、約百四十億個。これをどう使うか。様々なことを体験して、好奇心を持って生きているひと。そんな人は、ひとつやふたつ社会に対して言いたい事があります。ひとがおしえてもらいたいようなことを持っています。そういったことを上手にまとめる方法を知っている人は、著者になることができます。知らないとできません。ただそれだけの違いなのです。人に何かを伝えて分かり合いたいということは、本能的なものです。

本を書き上げるということは、自分を高めることです。かたちある著書が完成すれば、今度はそれを著した著者ということになります。会社や組織の役付き名称より数倍インパクトのある肩書きです。なになに会社の課長さんより、こういうテーマの本の著者ですということのほうが、自己アピールは確実です。こういう知識のある人間です。こういうことを勉強し、研究していますということは、一般のサラリーマンには、あまり表現の機会がありません。著書を持つということは、そこを可能にしてくれます。自分の研究的生活の履歴がはっきりするのです。こうして、自己の世界は広がります。

教育の分野で最近、アメリカやイギリスで取り入れられている教育方法に「ポートフォリオ評価」というものがあります。自分の学習してきたことをひとつのファイルにまとめ上げて、自分の履歴書的な学習記録を常に身に付けようという提唱です。いつもその記録に立ち返ることにより、自分自身のマネジメントを客観的に行えるという代物です。

また、ビジネスの世界でも「Plan Do See」(計画・実行・再評価)といったマネジメント方法がよく登場します。

自分の著作を持つということは、このポートフォリオあるいは、ビジネス・マネジメントに似ています。自分の研究成果が一冊の著作として、具体化した姿になるわけです。その過程で自己を見つめなおし自己実現していく。自分の完璧な履歴書となることうけあいです。自己の人生を充実したものにしてくれることでしょう。

『自分で本を出版する・ワードDTP編・DIY産直出版のススメ』『自分で本を出版する・製本術編』とは

2001年から紙の本で出版されていた本です。著作権は、「あくり出版」が持っています。ちょっと変わった非常識出版を実践していた「あくり出版」です。

ワードを使った書籍用のDTPの操作を解説した本です。古いワードのテクニカル本です。

『自分で本を出版する・製本術編』はワードDTPで作成し、インクジェットプリンターで印刷したものをビジネス書っぽく製本する方法を解説したものです。

当時4000円くらいで販売していたものです。3000冊ほど売れたと思います。ISBNもあり、国立国会図書館にも入っています。今は、販売していません。もしかして、古本でどなたかが販売しているかもしれません。

内容的に今では、使われていないワードのバージョンですので、ここで無料公開します。縦書き書籍用のデータをそのまま掲載しますので、改行も少なく、ネットでは読みにくいかもしれませんが、書籍の雰囲気をそのままということで、ご勘弁をお願い致します。

懐かしいワードの使い方をご覧ください。

新しいワードのバージョンで、ご参考になれば幸いです。

『自分で本を出版する・製本術編』についても、製本術自体は、古くなっても色あせることはありませんが、現在のネットワーク時代に紙の本というよりも、電子書籍やWEBにSNSですから、古い情報です。こちらも無料公開いたします。

なにかのお役に立てれば幸いです。

※ご紹介している「あくり出版」の書籍や製本キットなどについては、現在販売はしておりません。

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