『自分で本を出版する・ワードDTP編・DIY産直出版のススメ』『自分で本を出版する・製本術編』の無料公開につて
2001年から紙の本で出版されていた本です。著作権は、「あくり出版」が持っています。ちょっと変わった非常識出版を実践していた「あくり出版」です。
現在は販売しておりません。内容が古くなったのでここで無料公開いたします。何かのお役に立てれば幸いです。
※ご紹介している「あくり出版」の書籍や製本キットなどについては、現在販売はしておりません。
第2章・簡単製本術の紹介
目引き糸綴じ法
通常の書籍は、「本の基礎知識」でも解説しますが、本の1ページ分の何倍もの大きな紙に表裏を何ページ分も一度に印刷し、それを上手に折り曲げ裁断して本を作り上げます。
一枚の紙に表裏と4ページが印刷されたものを中央で折り曲げページをあわせて重ねあわせます。次に背の部分を糸で綴じたりボンドで接着したりと様々な方法が編み出されています。
個人の労力でそれらと同じような製本を再現しようとすると多くの道具と材料が必要です。
ヨーロッパではルリュールと呼ばれ製本装丁が一つの美術文化として確立しているようです。1冊の本を仕上げるために幾日もかけて糸を通して締め上げ、布や皮の装丁を施し芸術品として創作されています。
ここで目指しているものは、本作りや「出版」という行為をもっと個人レベルに敷居を低くし、多くの有能な人々が社会に対して物申してほしいという願いから出発しています。ですから、製本方法は、ごくごく簡単に、しかも安く出来なければならないという考えです。
前著『自分で本を出版する』でご紹介した製本方法は、書籍としての強度にはやや劣りますが、手軽な方法として、家庭用のプリンターで印刷したものをそろえて、背の部分に切れ目を入れ、糸等で補強接着する方法をご紹介しました。
今回も、「簡単製本術」の一つとして掲載いたします。その後の「DIY産直出版」活動の中でいろいろな意見をお聞きして改良をくわえたものが、次にご紹介する『クルミ製本角布固め法』です。
こちらは、「あくり製本キット」として専用の製本キットも開発し、あくり出版で販売もしています。
いずれも簡単手軽な方法を取り上げていますので完成品は並製本を作ることを目指しています。本の本体のみを作成でれば、表紙を上製のものにするだけで上製本も製作可能です。
クルミ製本角布固め法
あくり製本キットでできること
現在のあくり出版ではこの方法で製本をしています。『クルミ製本角布固め法』のために開発した製本道具が「あくり製本キット」です。
いろいろ試せる製本道具です。「目引き糸綴じ法」でも製本可能です。
構造は単純ですが随所に工夫が施されて、手作り製本には非常に便利な道具です。
お手持ちのワープロソフトで完成した原稿を家庭用のプリンターで印刷し、ここでご紹介する製本方法で手作り本を作ります。ご紹介する製本方法は一例です。
さまざまに応用が出来ます。製本の基本は、本文の印刷してある紙をそろえて背を固め、冊子状にすることです。本文を紙の上でぱらぱらとめくって読めるようにすればいいのです。ですから、背の固め方、接着の方法はいろいろあります。
一般の書店で販売されている書籍は、上製本から並製本、雑誌に至るまで様々な印刷物があります。それらの背のところを良く観察してください。いろいろな方法で製造されています。糸で綴じてあるもの強力な製本ボンドで接着してあるもの、ホッチキスでとめてあるだけのものなどです。
ここでは、製本材料を個人でも入手可能で近所の文房具店やホームセンターなどで買えるもの、しかも、安く仕上げることを前提にご紹介いたします。
あくり製本キットによるリジナル製本の基本のみをご紹介します。基本を習得して頂いて様々に応用してください。
あくり製本キットによる『クルミ製本角布固め法』とは、並製本に多用されている「無線綴じクルミ製本」を家庭にある材料だけで製作可能にした改良版の製本方法です。
「無線綴じクルミ製本」は、本の中身を冊子状にしたものを糸で綴じないでそのまま強力な製本用のボンドで厚手の表紙にくるむように接着したものです。
DIY産直出版では、これを身近な材料だけで完成させなければなりません。そこに登場したのが「角布固めです」正確には、背の天と地を包み込んで固定する方法です。
従来の製本方法でいう、和装本の「角布」を取り入れたものです。また洋装本では、今では飾りのようになっていますが、「花布」「ヘッドバンド、テールバンド」にも似たものです。
現代のビジネス書などで多用されている「無線綴じクルミ製本」と昔からの和装本の製本方法をミックスし、手軽な簡単製本としたのが、私の命名した『クルミ製本角布固め法』と言うことです。
背の部分を少し余分に接着するだけで専用のボンドもなしに充分実用に耐えるだけの接着力が出ることを発見しました。これを何度も実験して、今の方法に至っています。
また、専門の製本業者では、本を冊子状にしたときに天地と小口の三方を裁断機できれいに裁断します。そのために並製本は、表紙と本文の中身が同じサイズになっています。
個人では何百枚もいっぺんに裁断する大型の裁断機は入手できませんので、これを市販のコピー用紙などで再現する方法を考案しています。
この解説書が完成見本になっています。ここで解説している方法で製作していますので、出来栄えのイメージをつかめるかと思います。
この方法をマスターすれば、表紙に使用するものを厚手の上製本表紙に変更するだけで立派な上製本も作成可能です。様々に応用してください。
あくり製本キットにはA5、A4、B6、B5の大きさの本を1冊づつ製本する製本キットとA5、A4、B6、B5をそれぞれ5冊づつ一度に製本できるものと5種類のラインナップがあります。
この解説書では、1冊づつの製本方法と一度に5冊づつの製本方法を解説しています。
あくり製本キットのラインナップ
1冊づつ作る製本キット・左からB6、A5、B5、A4版
AB版5冊用製本キット
『自分で本を出版する・ワードDTP編・DIY産直出版のススメ』『自分で本を出版する・製本術編』とは
2001年から紙の本で出版されていた本です。著作権は、「あくり出版」が持っています。ちょっと変わった非常識出版を実践していた「あくり出版」です。
ワードを使った書籍用のDTPの操作を解説した本です。古いワードのテクニカル本です。
『自分で本を出版する・製本術編』はワードDTPで作成し、インクジェットプリンターで印刷したものをビジネス書っぽく製本する方法を解説したものです。
当時4000円くらいで販売していたものです。3000冊ほど売れたと思います。ISBNもあり、国立国会図書館にも入っています。今は、販売していません。もしかして、古本でどなたかが販売しているかもしれません。
内容的に今では、使われていないワードのバージョンですので、ここで無料公開します。縦書き書籍用のデータをそのまま掲載しますので、改行も少なく、ネットでは読みにくいかもしれませんが、書籍の雰囲気をそのままということで、ご勘弁をお願い致します。
懐かしいワードの使い方をご覧ください。
新しいワードのバージョンで、ご参考になれば幸いです。
『自分で本を出版する・製本術編』についても、製本術自体は、古くなっても色あせることはありませんが、現在のネットワーク時代に紙の本というよりも、電子書籍やWEBにSNSですから、古い情報です。こちらも無料公開いたします。
なにかのお役に立てれば幸いです。
※ご紹介している「あくり出版」の書籍や製本キットなどについては、現在販売はしておりません。
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