蔵書を裁断しないでデータ化します。低予算の方法からお金をかけて専用のスキャナーを導入する方法まで実践方法を紹介します。
我が家には2000冊ほどの本があります。本の山です。壁一面本棚の部屋があります。そこだけでは足りないので屋根裏を改造して本の収納庫も作りました。
地震の時に、天井が抜けてしまわないか心配です。そこで、本のデータ化をシコシコとやってます。
手持ちの書籍をPDFなどに電子書籍化することを書籍の「自炊」と呼ばれています。「自分で」書籍データを「吸い出して」電子書籍にするので「ジスイ」だそうです。随分と前から自炊本のつくり方関連の書籍も販売されています。
地価の高い大都市のマンションなんかでは、読まない本をたくさん貯めこむと、それだけで地価の一部を占有してしまい、居住空間や財産を圧迫することになります。読書家には「本の自炊」は結構な需要があります。
買った本はとっとと読んで、古本で売ってしうか、手元に置いときたいものは、自分で電子書籍にしてパソコンやスマートフォンなんかで読めるようにしておけばいいですね。スペースも取らないし、持ち運びにも便利です。
電子書籍のデータ化は、スキャナーで読み込んでPDFなどのデータにします。
原始的な方法では、見開きでスキャナーにひっくり返してスイッチしてスキャンを待って、また、見開きを次にめくって、また、スキャンして・・・・
こうやると1冊を電子書籍にするのに2~3時間かかります。
とてもやってられません。
それで、電子書籍の自炊ワザ本で紹介されている方法は、1冊の本の背を大きな裁断機で切ってしまい、全ページをバラバラにします。
それを複数ページを順番に自動でスキャンする機器に投入します。パソコンでOCRソフトなどを使ってPDFにするか、画像として取り込んでそのままPDFにするかして電子書籍化します。
これだと大きな裁断機やスキャナーなどで5万円くらいの投資で電子書籍の自炊システムが手に入ります。
裁断機はこんなのが、比較的低価格で楽天なんかで売っています。
本や厚紙の裁断機
これは我が家で使用しているものです。楽天でわりと安く売っています。
自動両面スキャナーは、富士通 ScanSnap iX500が、本の自炊では一番人気です。
富士通 ScanSnap iX500の古いバージョンでS1500は、私も使っています。一枚一枚の紙になっているものなら、自動で両面をスキャンしますので便利です。
これが、2013年初め頃の一般的に紹介されていた方法です。
1冊をスキャニングするのに機種にもよりますが、5分~10分程度で済みます。
裁断する時間も含めると、もう少しかかります。富士通 ScanSnapはスキャンするときも、一応、自動でやってくれますが、紙の質が薄かったり、古くて摩擦の強いものは紙詰まりを起こします。そのために稼働中は、近くにいてトラブルに対応しなければなりません。それが面倒です。
なんだかんだと一冊の本を自炊するのに20分くらいかかってしまいますかね。
これで、スペースのいらない電子書籍ができて、一度に何百冊、何千冊ものデータをもち運ぶことが出来るようになります。
しかし、これにはデメリットがあります。裁断機とスキャナーを買う必要があります。それに、本を裁断してしまうデメリットがあります。
当然、図書館などで借りた本は電子書籍化は出来ません。本を裁断しないでコピーを撮ったり、スキャナーにかけたりするには、見開きひらいて、ひっくり返して、スキャナーの台におしつけて、スイッチをいれて、スキャナーの読み取りが終わるまでまって、また、次のページをめくって・・・・
と、気が遠くなる方法しか無いようです。
私も、絶版になった古い専門書などを図書館で見つけたときは、時々、こうやってデータ化したりしていました。
でも、面倒ですね。
そこで、思いついたんですが、スキャナーよりは解像度が落ちますが、本の裁断なし、スキャナーなしの方法。
しかも、短時間でOK!の方法を思いついたんです。
パソコンのある家庭には、たいがい持っている機器を使います。新たな投資は無しか、数千円で済むと思います。
その概要です。
まず、パソコン用の小型カメラを準備します。WEBカメラです。2千円くらいので結構です。
それを、アーム式のデスク・ライトスタンドの傘に貼り付けます。下向きに机の上でピントを合わせて、本を見開きで画像として撮るわけです。
その画像をPDFへ処理して電子書籍にするというわけです。
ページめくりがパラ~~とできる式の電子書籍にはなりませんし、OCRで読み込んでいないので、テキストデータに抽出もできません。
別途画像からOCRをかければテキスト化も可能ですが、テキスト化の認識率に解像度がついていかないと思います。
とりあえず目視で読めればいいや、という程度なら、画像のPDF化で十分です。
見開きの本の画像ですから、影も写り、本を持っている指とかも写ります。
一度読んだ本をとりあえず保存して、何かあった時の資料保存という程度のものと割り切ればいいと思います。
問題は、デジタル画像を撮る時の、スイッチ押しです。これも、手動でパシャっと押していては面倒です。
デジタル写真を数秒おきに自動で撮ってくれるデジカメソフトがありますので、それを活用します。
本来は、植物の成長を一定間隔の時間で画像をとり、時間短縮して映像化して見せるソフトの類です。
それをシャッタースピードを5秒単位くらいにしてページをめくったらパシャッと撮ってもらうわけです。
慣れてくれば、シャッタースピードを3秒くらいにして、超スピードでページめくりをすれば、5、6分で1冊の本が画像化できます。
これくらいの時間なら、個人の蔵書を処分するときに取りあえず保存という目的には活用できると思います。
これを考えたのが数年前でしたが、それをそのまま製品化したものがありました。
●ノバック スタンド型ワンクリックスキャナー NV-PS200U
●スタンドスキャナーUSB書画カメラ500万画素・本・書籍の自炊対応
似たような製品は、たくさんありましたよ。随分と前からあったみたいです。
電気スタンドにデジカメが付いて、自動シャッターがあるということですから、私が考えたのと同じですね。同じ事は誰でも考えるんですね。
それを製品化しちゃうところが負けました。私のやっている方法は、数千円でできますから、節約派には、私の方をオススメします。
以上は、2012年の話だったんですが、この記事を書いている2013年6月には、また新しい製品が登場しました。
「非破壊型スキャナー」です。
2013年7月12日発売ということで、まだ入手できていません。予約をさっそくしましたが、予約が殺到しているみたいで、届くのはいつになるのかわかりません。
で、その製品ですが、これです。
富士通 オーバーヘッドスキャナ ScanSnap FI-SV600
非破壊型電子書籍化自炊本機ということであちこちのニュースサイトで話題になっています。非破壊というのは本の背を裁断しないということでしょう。
富士通ScanSnap SV600 FI-SV600の宣伝コピーです。
●離れた位置から原稿を読み取り。
●新聞、雑誌の見開き大きなサイズの原稿
●とじられた本を裁断しないでスキャン
●曲面の文字など自動補正
●A3サイズまで読み取り
●クレヨン・絵の具で描いた絵など・・
●立体物も上からスキャン
●電源オンから約3秒で読み取り可
●本や雑誌の読み取りを効率化する機能
●自分だけの電子書籍環境
●傾き補正、サイズ自動検出、向き補正
なんかよさそうですね・・・
とうことで、予約注文をしたわけですが、届きましたら、詳しくレポートします。
ここまで、蔵書の自炊で本をスキャンする方法のいくつかをご紹介しました。
富士通ScanSnap SV600 FI-SV600を使うことが理想的な本の自炊方法のような気もしますが、まだ使ってみないとわかりません。
それに6万円ほどしますので、現在、私のやっている本を裁断しないで自炊する方法で、しかも低予算の方法を次に詳しくご紹介します。
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