Web時代に文章を書いて、ブログに公開し、お金を稼ぎ生活をしているプロブロガー、イケダハヤト氏の本です。
『武器としての書く技術』のタイトルどおり文章を「書く」ということにフォーカスした内容です。
しかし、国語のお勉強本ではなく、インターネット上に公開して、いかに読まれるかというところを突っ込んだものです。
Web時代は、プロ、アマ問わず自分の経験や知識といったものを広く公開することができるようになりました。
いったん公開された情報は、それが検索されたり口コミされたりしながら、人の目にとまることによってお金の流れもできるようになりました。
プロブロガーなる職業も出現しています。
わたし自身も、商品を販売するネットショップからはじまり、コンテンツ販売、電子出版、広告代理店へと、文章を書くということを中心に仕事をしてきました。
同じような経験をしていますので、『武器としての書く技術』は、ウンウンとうなずく所ばかりでした。
紙の本を出版するのとは違ったWeb時代の文章術といったところです。
イケダハヤト氏、曰く、「Web時代の文章は、ストリートライブ」のようなものとの表現は、言い得て妙ですね。
Web新時代の文章力として「スピード力」「コピー力」「引きつける力」「リピートしてもらう力」をあげています。
まさしくWeb集客の中心点です。
ブログの収益化をはかるには、それなりの文章内容と文章量が必要です。
ページビューを増やす施策も必要です。
SEO対策も必要です。
書く内容は、「脳の外付けハードディスク」として、ブログにどんどん書いていこうというイケダハヤト氏の主張は大賛成です。私も同じような感覚でネット上のサーバースペースを利用しています。
書くということで人生が豊かになるというのは、実感している人は多いと思います。
自分の持っている知識や経験をまとめて公開することで、多くの人の役に立ち、人助けになるというのがWeb時代の情報です。
わからないことがあれば、とりあえず検索エンジンで調べるというのは、一般的なことになっています。
「わからないことがあったらGoogle先生に聞こう!」ということが、合い言葉のようになっています。
これからの「書く」という行為は、Google先生の側に参加するということになります。
検索する側が、検索される側にもなっているということです。
「少数派に優しい社会」を作り上げることのひとつに検索エンジンやブログ、SNSといったツールが活躍するのではないでしょうか。
Web時代の執筆活動は、一般の出版社が行っているライター、編集者、校正、印刷、製本、営業といった一連の出版工程を全部一人のブロガーが行うことになります。
たくさんの工程が関わってくる出版活動ですが、Web時代では、ブログという公開システムがあり、検索エンジンがあり、SNSがあり、パソコンやスマホ、タブレットがあります。
多くの工程を合理化した新時代の出版の武器がそろっています。
わたし自身も、「書く」ということで十年以上も生活してきました。
これから「出版」という概念が、紙の本から、ぼちぼちと電子書籍の方向へと変わってきています。
紙の本が商業出版されて、はじめて「出版」ではなく、同じ書くという行為をするのであれば、Web時代の書くという行為の方が、スピード感があり、マネタイズ効率も高いと思います。
あくり出版の主張は、まさしくWeb時代で書くということが、そのまま「出版」へと置き換わるだろうということです。
『武器としての書く技術』は、同業者的に、ひとつひとつがうなずけるものでした。
これから何かしらネットをとおした稼ぎ方を模索している人にも役に立つ一冊ではないでしょうか。
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